木育ルームなかよしには、平成28年10月5日に農林中央金庫様から寄贈された、信濃町産材を使用して、信濃町の職人さんが作った木製のナウマンゾウすべり台があります。
ナウマンゾウすべり台がなかよしに来るまで
今から9年前の平成19年、野尻湖のキャンプ場の傾斜地に樹齢80年以上、高さは18メートルを超える大きな栗の木が2本たっていました。この年の野尻湖には、栗の木を食べてしまうクスサンの幼虫(通称:しらがだいおう)が大量発生しました。もともと、周りにたっている杉の木の成長によって十分な日光が浴びられず弱っていた栗の木は、クスサンの幼虫に食べられて、倒れそうになったので伐採されることになりました。
2本の栗の木はあまりに大きかったため、平成19年の秋と平成20年の春に1本ずつ伐採されました。周遊道路へ吊り上げて運ぶにも大きすぎたため、平成20年6月19日に、野尻湖畔をボートで運ぶことになりました。
伐採された栗の木
野尻湖を渡り始める栗の木
途中、栗の木を結んでいたロープを縛り直すためにボートを停船させたところ、2本のうちの1本の栗の木が、重さで野尻湖に沈んで見えなくなってしまいました。その時運んでいた人は「野尻湖に沈んでいってしまった。」と思いました。ところが、再び船を動かすと沈んでいた栗の木が浮かび上がり、どうにか無事に野尻湖を渡りきりました。野尻湖を渡りきった栗の木は製材され、長野森林組合北部支所(信濃町)で大切に保管されました。
野尻湖を渡りきった栗の木
8年後の平成28年、農林中央金庫を通じて、木育ルームなかよしへ木製のナウマンゾウすべり台を寄贈する話が出たことから、「町の子ども達のためのナウマンゾウすべり台の木材なら、野尻湖を渡ったあの栗の木しかない!」と、大切に保管されていた栗の木は、職人さんのところに行きました。
こうして、樹齢80年以上の2本の大きな栗の木は、大昔にナウマンゾウのいた野尻湖を渡り、8年の時を超え、ナウマンゾウすべり台に生まれ変わって、なかよしにやってきました。
お問い合わせ
木育ルームなかよし:090-4382-6832