本日ここに、信濃町町制施行60周年記念式典を挙行いたしましたところ、塩谷長野地方事務所長様、務台衆議院議員様、近隣市町村長様、また姉妹都市の千葉県流山市井崎市長様をはじめ、多数のご来賓の皆様におかれましては、公私何かとご多忙のところ、ご臨席を賜り、衷心より厚く御礼申し上げます。
本日この式典を多くの町民の皆様とともに、挙行できますことは誠に意義深く、喜びに絶えない次第であります。
さて、我が信濃町は、時の町村合併促進法に基づき、昭和30年7月に当時の柏原村と富士里村が合併し、信濃村となり、翌年、昭和31年9月30日に信濃村・古間村・信濃尻村の三か村が合併し、人口14,377人の信濃町が誕生したのであります。
以来ここに60周年を迎えることとなりました。
顧みますと、信濃町誕生期の昭和30年代は、道路舗装工事、水道管敷設工事などインフラ整備による生活環境改善の年代であり、昭和40年代は国の高度経済成長期と相まって、当町も黒姫山のスキー場や陸上競技場など建設、別荘地造成、また、大規模な県営圃場整備事業による農業基盤整備事業など、観光振興と農業振興の礎を築いた時でもあります。合併から10年が経過し、懸案でありました統合中学校の建設や、信越病院、役場庁舎の建設と、まちづくりの新たな拠点が完成した時代でもありました。
昭和50年代から60年代にかけては、小学校5校は全て建て替えが完了し、総合会館や野尻湖ナウマンゾウ博物館、総合体育館などが次々完成し、教育文化活動に力が注がれた時代でもあります。
平成の時代に入り、総合公園として、ふれあい広場の整備や一茶記念館の建て替え、黒姫童話館の建設、特別養護老人ホームの建設など、福祉と心の豊かさに対応する事業が推進されるとともに、公共下水道事業など時代に即した生活環境整備が推進され、平成9年には上信越自動車道が開通、昨年は北陸新幹線が金沢まで延伸開業するなど高速交通網整備もほぼ整いました。
一方、昭和60年7月の屏風沢土石流災害や平成7年7月の集中豪雨災害の大災害も記憶に新しいところでありますが、一人の生命も失わず、国、県ご当局をはじめ関係の皆様のご努力により河川、農地農業施設等も見事に早期復旧し、今日の佳き日を迎えるに至っておりますことは、関係各位とのご努力と町民の皆さまのご協力によるものであり感謝申し上げる次第であります。
平成11年以降、平成の大合併が推進され、当町におきましては町民の真摯な議論を経て自立の道を選択し、今日に至っております。
このような中、「信濃町に誇りを持ち、次世代を担う人材の育成を目指して」を目標として、長野県下公立学校として始めての小中一貫教育をスタートし、義務教育学校として新たな歩みを始め五年目を迎えたところであります。
昭和五十年の国勢調査まで1万2千人の人口を維持してきましたが、全国的な少子高齢化の大きな波の中、当町も現在9千人を下回る状況になり、少子高齢化時代へと大きく変化しています。
経済の高度成長期からの大きな流れで、若者が地方から首都圏へと移動している長年の状況を、一、二年の地方創生事業では解決することは困難なことでありますが、私達町民は今、改めてこの町の豊かな自然とともに人間らしく暮らせることの素晴らしさに気づき、自信をもって町外に向け、この町の素晴らしさを情報発信していくことも大切なことと思います。
今、町民の皆様自らの行動として新たな地域づくり活動が生まれていることを大変うれしく思います。行政が住民に何ができるかも重要ですが、住んでいる人たちが地域のために何ができるかということを考え、行動することも地域づくり、まちづくりに極めて重要なことと思います。この様な時代であるからこそ、故郷を、地方を改めて見つめなおす絶好の機会でもあり、時代に即応し、将来の町づくりを考える意義のある時でもあります。
我が町の「信濃町ひと・まち・しごと創生総合戦略」の取り組みもあり、本年7月には約4年ぶりに住民基本台帳人口が前月比17人増となる状況がありました。様々な行政課題はありますが、今後も信濃町が住みよく活力あるまちとして、限りなく発展していくため日々精進することが、先人の努力を引き継ぐことであり、「住んで良かった・住んでみたい」と思う新たなまちづくりを町民の皆様と共に取り組んでいく決意を新たにしているところです。
町制施行60周年記念式典に際しまして、今日の信濃町発展にご尽力いただきました国、県をはじめこの間行政運営に携われてきました理事者、歴代町議会議員、行政委員会各位並びに町民各位に改めて深甚なる敬意と感謝を申し上げます。
本日は、記念式典に併せ、近年、特に癒しの森事業などで大変お世話になっております東京音楽大学の皆様のご協力により第6回癒しの森コンサートも併催しております。どうぞお楽しみいただきたいと思います。
結びに、本日ご出席いただきましたご来賓各位並びに町民各位の益々のご発展ご健勝をご祈念申し上げますとともに、今後一層のご支援ご協力をお願い申し上げ、式辞といたします。
平成28年9月25日
信濃町長 横川正知