台風第10号の接近に伴う技術対策について
長野県農政部農業技術課から、農作物等の被害に対する技術対策が発表されており、信濃町ホームページでは、主に町内の農作物等に関係すると思われる部分を抜粋版として掲載しています。
更に詳しい内容につきましては、長野県公式ホームページを御覧ください。
1共通
- 気象情報に十分留意するとともに、ほ場の排水が速やかに行われるよう、滞水しやすいほ場の周辺や排水路の点検を行う。ただし、風雨が強く、河川や水路が増水して危険が予想される場合は、危険箇所に近づかない。
- 冠水しやすい場所では、事前に機械類等を移動しておく。
- 突風に備えて、果樹や野菜・花き類の支柱、施設・温室の外周りなどを点検・補強する。
- 特に傷んでいる箇所や力が大きくかかる箇所に注意する。また、作業は複数人で行う。
- 台風等の通過後に薬剤散布を行う際には、農薬使用基準(収穫前日数等)を遵守する。
2園芸・農業用施設全般
- 強風に備えて、ハウスや畜舎及び堆肥施設等の破損部の修理、支柱・筋交い等の補強を行う。特にパイプハウスは強風による被害を受けやすいので、ハウスやフィルムが飛ばされないよう、らせん杭の設置やフィルム押さえバンド、フィルム留め具等の点検を行っておく。また、収穫物がある施設では、周囲に排水溝を設け、冠水を防ぐ。
- サイドフィルムのあるパイプハウスでは、サイドフィルムを下ろし、妻部分もフィルムで覆ってすきま風が入らないようにする。ただし、日中気温の高い状態では、風下妻面のみを開放し、台風等の通過後、速やかにハウス内を換気する。
- 雨よけ施設では、状況に応じてフィルムの巻き上げを行い、施設の損壊を防ぐ。また、状況に応じてフィルムを除去するなどの対策をとる。
- 収穫を終了したハウスや使用していないハウスは、被覆資材(フィルムやネット等)を取り外す。
- 倒壊が心配される場合は、被覆フィルムを切り裂き、風圧を軽減する手段を検討する。ただし、強風の中の作業は大変危険なので、安全の確保を優先する。
- 防鳥ネット、防雹ネット、日焼け防止ネット(寒冷紗)設置園では、強風で飛ばされないようネットの巻き取りや除去を行う。
3水稲
- 事前に排水路の詰まり等の点検・補修を行い、冠水時の速やかな排水に備える。
- 暴風警報がでたら、倒伏を防ぐため、水利条件や生育状況に応じて深水にして茎の動揺を防ぐ。
- 冠水した場合は速やかな排水を行う。
- フェーン現象を伴う風台風等が予想される場合は、台風接近前の入水や湛水管理を行う。
- 収穫適期となっているほ場では、すみやかに収穫を行う。
4大豆、そば
浸水、冠水した場合は、直ちに排水する。また、大豆では病害虫の発生に注意し、適切に防除する。
5立木果樹(りんご、もも、プラム、プルーン、おうとう等)
省略
6棚果樹(なし、ぶどう等)
省略
7野菜、花き(露地栽培)
- 露地のきゅうり、アスパラガス、ながいも、花き類(きく、りんどう、シンテッポウユリ、グラジオラス等)などは、支柱の補強や補修を行い、強風による倒伏と茎葉等の損傷を防ぐ 。
- 滞水しやすいほ場では、畑の周囲へ排水溝を設置して早期排水に努める。
- 滞水が続いた場合は、液肥の葉面散布を行い、草勢の回復を図る。
- 強風や雨により病害が発生する恐れがあるので、台風等の通過後、風がおさまるのを待って、速やかに殺菌剤の散布を行う。
- きく、りんどう、シンテッポウユリ、グラジオラス等が倒伏した場合は、早めに茎を起こし、曲がりを防ぐ。
8畜産
- 畜舎周辺を点検し、特に、開閉部はしっかりと固定するなど、破損に注意する。雨水の流入、浸水等がないように周囲の排水対策を行う。
- ハウス畜舎、堆肥舎は破損部の補修、支柱・筋交い等の補強により倒壊を防ぐ。特に強風によりフィルムが飛ばされないようフィルム押さえバンドを点検する。
- 停電に備え、搾乳機やバルククーラーの電源を確保するための自家発電機の点検を行う。
- 発電機の準備が無い場合はJA等関係団体と連携をとり、災害発生時の対応について協議する。
9菌茸
- 停電が発生し室温と外気温の差が大きい場合は、短時間であればドアの開閉を控える。
- 停電が長時間にわたる場合は、施設内の温度上昇に留意して適宜、換気を行う。
- 施設が浸水した場合は、次の対策を行う。
- ・電気設備は、起動前に十分な点検を行い、漏電事故が発生しないよう注意する。
・収穫できるものは、早めに収穫、包装する。
・生育中、水がかかった生産物は速やかに施設外へ搬出し、処分する。
・室内の浄化を図るため、施設を空にして水で泥等を洗浄する。 - 洗浄後は、除菌剤(0.1~0.05%次亜塩素酸ナトリウム)を散布し、乾燥させる。オゾンガス発生装置がある場合は、オゾン処理方法に従って除菌する。
- 次亜塩素酸ナトリウム散布後は、十分換気してから培養基を搬入する。(直後の搬入は避ける。)
10鳥獣害対策
- 広域防護柵、簡易電気柵を点検し、支柱の補強・通電線の張りの調整を行う。
- 台風等の通過後に2次災害の危険が解除されたら、速やかに防護柵等を点検する。倒木等による破損や漏電が確認された場合は、直ちに修繕を行う。
- 鳥の追い払い資材を使用している場合、風で飛ばされないように点検し補強を行うか、回収し、台風通過後再度設置する。