目的
中山間地域は流域の上流部に位置することから、中山間地域の農業・農村が持つ水源涵養、洪水の防止、土壌の侵食や崩壊の防止などの多面的機能によって、下流域の都市住民を含む多くの国民の財産、豊かな暮らしが守られています。
しかし、過疎化・高齢化が進む中で自然的・経済的・社会的な条件の不利性から、担い手の減少、耕作放棄地の増加などによって、多面的機能が低下し、国民全体にとって大きな経済的損失が生じる事が心配されています。
このため、耕作放棄地の増加などによって多面的機能の低下が特に懸念される中山間地域において、農業生産の維持を図りながら、多面的機能を確保するという観点から、国民的な理解の下に平成12年度より「中山間地域等直接支払制度が実施されています。
事業内容
条件不利な農用地を耕作する農業者や生産組織等が農地や道路・水路の適切な管理の方針、集落の目指すべき農業生産体制やその実現のための活動などについて話し合い、これらの内容えお集落協定として締結します。
この協定に基づいて、5年間以上継続して活動する農業者に対して農地の不利性や面積に応じて交付金が支払われます。新たな対策においては、将来に向けて農業生産活動を継続する前向きな取組みを促す仕組みに見直しますが、基本的な要件は従来どおりです。
対象となる地域
特定農山村法、山村振興法、過疎法の指定地域及び県知事が指定する地域
対象となる農用地
下記の基準に該当する農振農用地の1ha以上の一団の農用地
ほか
- 小区画、不整形な田
- 高齢化率・耕作放棄率の高い集落にある農地
- 積算気温が低く、草地比率の高い草地
対象となる行為
集落協定又は個別協定に基づき、5年間以上継続して行われる農業生産活動等
対象者
集落協定又は個別協定に基づき、5年間以上継続して行う農業者等(第3セクター、生産組織等を含む)
集落協定及び個別協定の中には集落マスタープラン(後述)が位置付けられています。
・10~15年後の集落の将来像の明確化
・将来像の実現に向けて、5年間に集落において取り組む活動内容とスケジュールの策定
集落活動のレベルに応じた交付単価
地目 | 区分 | 基礎単価 | 体制整備単価 |
---|---|---|---|
田 | 急傾斜 | 16,800円 | 21,000円 |
緩傾斜 | 6,400円 | 8,000円 | |
畑 | 急傾斜 | 9,200円 | 11,500円 |
緩傾斜 | 2,800円 | 3,500円 | |
草地 | 急傾斜 | 8,400円 | 10,500円 |
緩傾斜 | 2,400円 | 3,000円 | |
草地比率の高い草地 | 1,200円 | 1,500円 | |
採草放牧地 | 急傾斜 | 800円 | 1,000円 |
緩傾斜 | 240円 | 300円 |