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日照不足に対する農作物の栽培管理について(第2報)

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7月18日発表の関東甲信地方1か月予報によると、期間のはじめは平年に比べ曇りや雨の日が多く、日照時間が少ない状態が続く見込みで、農作物への影響が心配されます。
長野県農政部から、「日照不足に対する農作物の栽培管理について(第2報)」が通知されました。

ブルーベリー

日照不足に対する農作物の栽培管理について(第2報)

令和元年7月19日 長野県農政部農業技術課

1 作物

(1)水稲

  • 今後の気象情報に留意し、障害型冷害危険期(およそ出穂前14~8日)に17℃以下の低温が予想される場合は、幼穂保護のため深水管理(かんがい水が気温より高い場合のみ)を行う。
  • 標高の高い地域などでは幼穂形成期から幼穂長の伸長に合わせて「前歴深水かんがい」を実施する。
  • かんがい水及び湛水温向上対策(畦畔からの漏水を防止するなど)を行う。
  • 生育進度(幼穂の伸長度合)を確実に把握したで上で追肥を行う。
  • 窒素の多量な追肥は不稔発生を助長するので、低温が予想される場合は追肥量を控える。
  • 葉いもちは、感染好適条件の判定等を参考にして圃場をよく観察し、病害虫防除基準に従って防除する。また、穂いもちは、常襲発生地域や葉色の濃い圃場では、効果が安定する粒剤による予防防除を行う。

(2)大豆・そば

  • 降雨等による湿害防止のため、排水路の点検や整備を行い、必ず排水口につながっていることを確認する。

2 果樹

(1)共通

ア 一般管理 

  • 支柱立て、枝つり、徒長枝切り等を行い、受光態勢を良好にする。
  • 病害の多発が心配されるので、農薬の使用基準を遵守し、散布間隔が空きすぎないよう注意し、14日間隔の防除を徹底する。
  • 薬剤の散布ムラがないように防除する。
  • 排水対策を行い、園内が降雨で滞水しないよう注意する。
  • (2)りんご

ア 一般管理 

  • 支柱立て、枝つり、徒長枝切り等を行い、受光態勢を良好にする。
  • 病害の多発が心配されるので、農薬の使用基準を遵守し、散布間隔が空きすぎないよう注意し、14日間隔の防除を徹底する。また、薬剤の散布ムラがないように防除する。

イ 病害虫防除 

  • 現在、褐斑病、黒星病、炭疽病、輪紋病の感染盛期にあたるため、適期に防除を実施する。
  • ハダニ類は、園地によっては曇雨天であっても密度が高いほ場が見られる。園地ごとの発生状況を把握し、発生が多い場合は、適期に殺ダニ剤を散布する。

(3)もも

ア 一般管理 

  • 6月中旬~7月の多雨で核割れによる生理落果が見られている。中晩生種では、見直し摘果時にやや多めに着果させる。
  • 曇雨天により着色が不良となるため、支柱立てや徒長枝切りを実施し、着色向上のため、必要であれば反射シートを敷設する。
  • 早生、中生種では、着色が遅れ、果肉成熟となりやすいので、果実品質を確認して適期収穫に努める。

イ 防除 

  • 早生種で灰星病の発生が見られているので、被害果を適切に処理し、予防的な防除を徹底する。
  • 灰星病の多発が懸念されるので、農薬の使用基準を遵守して除袋後に追加防除を実施する。

(4)なし

ア 一般管理 

  • 曇雨天により「幸水」の熟度の進みが遅れるので、熟度調査を行って適期収穫に努める。
  • 新梢管理を行い、日照を確保する。

イ 防除 

  • 黒斑病、黒星病の多発が心配されるので、2週間間隔の防除を徹底する。

(5)ぶどう

ア 一般管理 

  • 副梢等の発生が多く、棚面が暗い園が見られるので、摘心等新梢管理を徹底する。

イ 防除 

  • べと病、晩腐病、灰色かび病、黒とう病の多発が心配されるので、早期に袋掛けを終了し、防除を実施する。

(6)日本すもも・プルーン

ア 一般管理 

  • 支柱立て、枝つり、徒長枝切り等を行い、受光態勢を良好にする。
  • 果肉の成熟を確認しながら、収穫遅れとならないように適期収穫に努める。

イ 防除 

  • 灰星病の多発が懸念されるので、被害果を適切に処理し、予防防除を徹底する
  • 雨よけ施設でハダニの発生が多い場合は、防除を徹底する。

3 野菜

(1)レタス類

  • 梅雨期の曇天・降雨により、軟腐病、斑点細菌病、腐敗病、菌核病、べと病等各種病害が発生している。日照不足、降雨が続くと、さらに発生と拡大が心配されるので、生育初期から予防防除を徹底する。
  • 細菌性病害は、生育ステージに応じて、銅剤、オキソリニック酸剤及びその混合剤、抗生物質剤など防除基準を参考に散布する。
  • 菌類病対策は、生育ステージに応じて、防除基準を参考に散布する。
  • 今後、チップバーンの発生が懸念される場合は、カルシウム剤の葉面散布を行う。

(2)はくさい

  • 黒斑細菌病、べと病、ピシウム腐敗病等の発生と拡大が心配されるので、生育初期から予防防除を徹底する。
  • 細菌性病害は、生育ステージに応じて、銅剤、オキソリニック酸剤及びその混合剤及び抗生物質剤など防除基準を参考に散布する。
  • 菌類病対策は、生育ステージに応じて、防除基準を参考に散布する。

(3)キャベツ

  • 黒腐病、軟腐病、黒斑細菌病等の発生と拡大が心配されるので、生育初期から予防防除を徹底する。
  • 細菌性病害は、生育ステージに応じて、銅剤、オキソリニック酸剤及びその混合剤、抗生物質剤など防除基準を参考に散布する。

(4)アスパラガス

  • 露地栽培では、降雨により茎枯病等の発生と拡大が心配されるので、できるだけ罹病している茎の抜き取りを行う。
  • 病茎の除去による再立茎は、7月下旬までに行う必要があるため、今後の立茎管理に留意する。

(5)施設トマト

過繁茂傾向になりやすいので、側枝・下葉の摘除を行う。晴天に変わると強日射による日焼け果が発生しやすいので、遮光対策を講じる。

(6)ジュース用トマト

疫病・輪紋病・斑点細菌病等の発生と拡大が心配されるので、防除基準を参考に防除する。やや軟弱生長傾向の圃場では、銅水和剤等による病害防除と株締めを行う。

(7)すいか

糖度が不安定になりやすいので適期収穫に努め、炭疽病等の病果の選別に注意する。つる枯病、うどんこ病、ハダニ類の発生が急増しやすいので、生育ステージに応じて晴れ間を狙い防除を行う。

(8)きゅうり

側枝の発生が弱い場合は、摘心を遅らせる。やや大葉傾向であり、古葉、病葉、日陰を作っている葉から摘除し、葉の更新と側枝発生を促す。奇形果等の不良果は早めに摘除し、草勢維持を図る。

べと病、褐斑病等各種病害が混発することが予想されるので、予防と早期防除に努める。

(9)スイートコーン

   適期収穫に努める。天候回復で収穫期が予想より早まる場合があるので、今後使用する農薬の選択に注意する。

(10)その他

  • オオタバコガの発生が増加し、産卵が増加する時期となるので、ほ場内の観察を十分行い、遅れないように防除を行う。
  • 害虫では、コナガの発生時期であり、低温傾向であっても、その後の天候によって、被害の発生が心配されるので、発生状況に応じて薬剤散布する。薬剤散布にあたっては、ジアミド系薬剤の抵抗性の発達を助長しないよう、県病害虫・雑草防除基準に記載されているIRACコードを参考にローテーション散布を行う。
  • 抑制作型の苗床では、苗(ポット)の間隔を十分にとり、採光を確保し、徒長を防ぐ。

4 花き

(1)トルコギキョウ

ア 一般管理 

  • 日照不足の影響で、側枝の発生が減少することが予想される。また、特に八重系品種では、日照不足の影響によりブラスチング(蕾の生育停止)の発生が多くなる。被覆用の遮光資材は、遮光率が高すぎないものとし、可能な限りこまめに開閉する。また、下枝の除去、不要な二次花蕾の整理を徹底するとともに、過度な追肥は行わない。
  • 曇天が続いた後の晴天日に萎れが発生し、後に茎曲がりや葉先焼け(チップバーン)となる場合があるので、晴天当日は十分な遮光を行う。
  • 花梗の徒長や軟弱化を防ぐため、換気に努め、かん水は控えめとする。

イ 防除

  • 曇雨天の影響で、通風が悪いほ場では、花シミ(灰色かび病)による品質低下や切り花ロスが発生しやすいので、循環扇により湿度の均一化を促す。循環扇がないハウスでは、天窓や側窓等をできる限り開放して換気の徹底を図る。
  • 灰色かび病対策は、防除基準を参考に薬剤散布を実施する。なお、切り花直前では、汚れの発生に注意する。

(2)カーネーション

ア 一般管理 

  • 日照不足の影響から輪数不足や軟弱化となりやすいので、曇雨天時は遮光用の被覆資材を開けて施設内の光量を確保する。併せて、不要な芽や側枝を整理して株元の通風を高めるとともに、かん水を控えめに管理する。

イ 防除

  • 日照不足により灰色かび病、黒点病の発生が心配されるので、防除基準を参考に防除を実施する。

(3)きく

ア 一般管理 

  • 露地ぎくでは、排水不良により根腐れや下葉の黄化が発生するので、ほ場の周囲・内部に明渠を設置し、排水管理を徹底する。

イ 防除 

  • 日照不足により、白さび病、斑点細菌病などの発生が多くなるため、防除基準を参考にローテーションによる防除を実施する。なお、薬剤による汚れの発生は品質低下となるので注意する。

(4)その他

ア 一般管理 

  • 排水不良の圃場では、長雨による滞水で根傷みや下葉の黄化等が発生しやすくなるため、明渠排水等の排水対策を図る。

イ 防除 

  • 日照不足により病害の好適発生条件となるため、防除基準を参考にローテーション防除による病害防除を実施する。
  • アザミウマ類、夜蛾類、ハダニ類の発生が増加する場合もあるため、防除タイミングを逸しないように薬剤散布を行う。

5 飼料作物

  • 降雨による収穫作業遅れ等により、収穫適期を過ぎた牧草は、乾乳末期や泌乳初期の給与量を控えるなど、給与方法に注意する。また、刈倒し後、長期間収集できず変敗したものは、給与を控える。

・牧草等の収穫時に、やむを得ず高水分で調製する場合は、必要に応じてサイレージ添加剤等を利用する。

 

 

 

 

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