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梅雨入り後の農作物栽培管理

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長野地方気象台から、令和2年7月3日午前11時に「大雨の見通しについて」が次のように発表されました。

「長野県では、長野県では3日夕方から次第に雨が降りはじめ4日未明から朝にかけて、雷を伴って1時間に30ミリ以上の激しい雨が降り大雨となる見込みです。
 7月4日12時までの24時間に予想される降水量はいずれも多いところで北部120mm、中部120mm、南部180mm、5日12時までの24時間に予想される降水量はいずれも多いところで北部およそ50mm、中部およそ50mm、南部50から100mmの見込みです。」

 今後、長雨、日照不足により農作物全般に生育遅延や糖度不足等の品質低下、病害の発生が懸念されます。
 つきましては、次のとおり長野農業農村支援センターから「梅雨入り後の農作物栽培管理について」が通知されました。

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梅雨入り後の農作物栽培管理について(通知)

令和2年6月30日 長野農業農村支援センター

1.共通事項

  1. 長雨に備えて、早めに施設やほ場周囲に明きょ等の排水対策を講ずる。
  2. 地下水位の高いほ場や排水条件の悪いほ場では高畦栽培とする。
  3. 浸水または滞水したほ場は、早急に停滞水の排水を図る。
  4. 曇天・長雨により病害が発生しやすくなるので、農薬散布と耕種的な防除の徹底に努める。また、農薬散布に際しては適用作物、散布時期・回数・希釈量等、最新の登録内容を遵守するとともに、散布ムラや死角となる箇所がないように留意する。
  5. 露地栽培では、気象情報に留意し防除を行う。また、泥や雨滴の跳ね上がりにより病害の発生を助長するので、マルチ、敷きワラ等を敷く。
  6. 施設栽培では、曇天により軟弱に生育しやすくなるので換気や循環扇等を利用し、温度と湿度をコントロールする。
  7. 梅雨の晴れ間の急激な日照や温度上昇により、日焼け等の障害が発生する可能性があるので寒冷紗等で遮光する。
  8. 降雨時の収穫及び調製作業は、出荷物の品質が低下しないよう細心の注意を払う。

2.水稲

  1. 晩植田では日中は浅水管理を基本として、苗の活着と分げつの促進を図る。潅水する場合は、早朝または夜間にかんがいし、水田の水温を下げない。特に移植後間もない水田や標高の高い地域では、生育の遅延に留意する。
  2. 大雨等で茎葉が長時間にわたって水没することがないよう、冠水した場合はすみやかな排水する。
  3. 冷水の入る水田では,温水溜池や温水チューブ等によりできるだけ水温を高める。
  4. 後期の除草剤の使用に際しては、雑草の発生状況に留意して農薬登録に記された散布適期の範囲内で散布する。また、散布直後の降雨により、除草剤の効果が低下することがあるため、散布タイミングに留意する。

3.麦類

  1. 排水不良のほ場では、早急に排水対策を行う。
  2. 長雨が予想される場合は、倒伏や収穫遅れとならないよう、品質に影響のない範囲で早めの収穫作業を行う。
  3. 降雨時に収穫した場合は穀粒水分にバラツキが大きくなるため、最初に通風乾燥を行って水分の均質化を図った後に火力乾燥する。

4.大豆

  1. 大豆のは種予定ほ場には、早めに明きょ等の排水対策を講ずる。

5.果樹

(1)りんご

  • 低日照が続いた場合、黄変落葉などが発生しやすい。徒長枝の間引きや枝吊り、誘引、支柱立てなどの夏季管理を行い、日照の有効利用を図る。併せて、農薬散布時の防除死角を解消する。
  • 「ふじ」は7月下旬~8月中旬頃に雨が多いと、「つる割れ」の原因となる内部裂果が発生しやすい。葉面散布や追肥は行わず、樹勢を強めない管理として適正着果量を維持する。
  • わい性台木は耐水性が劣るので、わい性台木樹園では、特に排水対策の徹底を図る。また、苗木養成園の滞水は、生育障害を起こしやすいので排水を徹底する。
  • 黒星病、黒点病、斑点落葉病、褐斑病、炭そ病、輪紋病などの病害発生の増加が懸念される。ストロビルリン系やキャプタン剤、有機銅等の登録農薬を用い、防除間隔は2週間程度として防除の徹底を図る。

(2)ぶどう

  • 副梢切除、摘心など新梢管理を徹底し、枝梢の充実と防除効果の向上を図る。
  • 摘粒が終了次第、袋かけを急ぐ。農薬散布の間隔が開いている場合は、袋かけ前に防除を実施する。
  • 無核品種は、ベレーゾン期となる7月中旬以降に雨が長引くと、果実肥大が促進され着色が遅れる傾向となりやすい。新梢管理で受光体制を整え、適正着房量を厳守することで正常な成熟を促す。特に、裂果しやすい品種では徹底する。
  • 曇雨天の連続により、べと病、晩腐病の発生が心配される。防除適期を逃さないよう留意するとともに、薬液は必要かつ十分な量を散布する。

(3)もも

  • 支柱立てや枝吊り、徒長枝の間引きを行って受光体制を整える。
  • 梅雨期が長引いた場合は、早生種出荷時から腐敗病の発生が問題となるので、定期的な防除を実施する。また、せん孔細菌病の夏型枝病斑がでている場合はせん徐する。
  • 除袋後の着色期間中であっても、雨が多い場合は追加して防除を行う。反射マルチも一時片付けて実施する。
  • 曇天が続くと着色不良が懸念される。過熟果とならないよう、適期収穫を心がける。

(4)なし

  • 根の活性を下げないため、明きょなど排水対策を徹底する。
  • 7月下旬~8月に雨が多いと蜜症発生が懸念される。「あきづき」でも内部褐変が発生しやすい。排水対策とともに、新梢管理で日照を有効に導入する。
  • 黒星病、黒斑病の発生が懸念される。防除間隔2週間での防除徹底を図る。

(5)その他

  • すもも及びプルーンは、腐敗果、過熟果の発生に留意する。なお、スモモヒメシンクイの多発期にもなるため、防除の徹底を図る。
  • ブルーベリー等も果実腐敗が増加するため、選果時には細心の注意を払う。

6 野 菜

(1)レタス類

  • 近年、5月下旬から6月中旬にかけて斑点細菌病の発生が目立ち、梅雨期中後期には軟腐病や腐敗病の発生も多い。現地で栽培されている品種の特性に留意して防除対策を講じる。

(2)アブラナ科の葉洋菜

  • 細菌性病害(軟腐病、黒腐病など)については、時期を失しないように防除を行う。
  • はくさいは、べと病の発生に注意が必要である。また、排水不良のほ場では湿害により心腐症が発生しやすくなるので、事前に排水対策を講じておく。
  • キャベツ「信州868」は、株腐病が発生しやすいので薬剤防除に留意する。
  • ブロッコリーは、花蕾腐敗病の発生に注意が必要である。

(3)アスパラガス

  • 立茎期を迎える露地ほ場は一斉に立茎させる。露地夏秋どりで、既に立てた茎に茎枯病の病斑がみられる場合、これを摘除して、再立茎を行う。
  • 茎枯病対策として、敷きワラや有機物マルチなどにより雨滴の跳ね上がりを防ぐとともに、薬剤散布により感染防止を図る。特に、立茎初期での感染防止に努める。

(4)きゅうり

 

  • 露地栽培では、黒星病や斑点細菌病が懸念される。降雨の間を見計らって薬剤散布を行う。
  • 施設栽培では、軟弱徒長気味となりやすい。古葉、病葉、日陰を作っている葉を摘除して葉の更新と側枝発生を促す。側枝の発生が弱い場合は、摘心を遅らせる。奇形果や病果は早めに除去し、草勢維持を図る。各種病害が混発することが予想されるので、風通しを良くするとともに早期発見、予防防除に努める。

(5)施設トマト、カラーピーマン

 

  • トマトは過繁茂になりやすいので、側枝、下葉の摘除は早めに行う
  • カラーピーマンは4本の主枝を決めたら、他の側枝は早めに除去し、内部まで光が当たるようにする。中段付近の着果が不安定となることから、状況に応じて側枝着果を行い、全体の着果量を確保する。

(6)ジュース用トマト

  • 一部、株元の下葉で疫病等が散見される。着果ホルモン剤の確実な処理により、着果を促すとともに、株分け作業を適宜行う。炭疽病、疫病、オオタバコガ等に注意して防除を行う。

7 花 き

(1)施設栽培

  • 日照量が不足すると花き類全般に着蕾数の減少や軟弱化など品質への影響が大きいため、施設内の換気の徹底を図る。
  • 曇天時は受光を遮る資材等は一カ所にまとめて、施設内に十分光が入るように留意する。なお、梅雨間の晴天時に葉先枯れ等が発生しやすいので、急激な日照や温度上昇時は早めに遮光資材を利用する。

(2)露地栽培

  • キクの白さび病、リンドウ、葉枯病など露地品目では病害の発生が多いので、降雨の状況をみて雨間に予防散布を心掛ける。
  • 湿害を受けないよう、雨後に表土が乾いたら軽く中耕して土壌の通気をよくする。ただし、長雨後は根に損傷を受けている恐れがあるので、生育が回復するまで施肥や深い中耕を控える。また、泥や雨滴の跳ね上がりによる病害や生育不良が起きやすいので、防止対策(マルチ、敷きワラなど)を行うとともに、薬剤の予防散布を行う。
  • 風雨により倒伏したものは、早めに起こして茎の曲がりを防ぐとともに、茎葉の保護と病害防除のために、農薬登録を遵守して殺菌剤の散布を行う。

8 畜 産

 

  1. 湿度が高まると家畜のストレスが増えるので、飼育密度の過密を避け畜舎内部の通風乾燥を励行し、快適な環境に努める。
  2. 畜舎に雨水が流入した時には、事前に畜舎周辺の排水対策を実施するとともに、汚泥はすみやかに除去する。
  3. 浸水後、伝染性疾病や衛生害虫の発生が危惧されるので、消石灰等を畜舎や堆肥舎の周囲に散布して乾燥を図るとともに、消毒車等により徹底した消毒、防除を行う。また、家畜の外傷の有無を確認し、異常を認めた場合は、速やかに獣医師又は、農業共済組合、家畜保健衛生所に連絡し必要な措置を受ける。
  4. 湿度が高まると飼料の変敗がおきやすいので、飼槽の状況を良く観察して残った飼料は早めに掃きだすなど、清潔にして乾燥を図る。
  5. 土砂が著しく付着した粗飼料は、給与をとりやめる。
  6. 冠水、浸水した飼料畑は、排水溝を設け早期排水に努める。
  7. 湿害が見られる牧草類は追肥を行い草勢の回復を図る。
  8. 倒伏等により生育中途の青刈飼料作物を給与する場合は、硝酸塩中毒の恐れがあるので給与量に注意する。

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